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東京大学理学部の4年生でありながら、まだどこからも内定をもらえていない澤木千尋（石原さとみ）は、IT企業「ネクスト・イノベーション」の社長・日向徹（小栗旬）の目に留まり、日向が推し進めようとしているパーソナルファイルのプロジェクトの足掛かりとなる会食に同席し、総務省事務次官の藤川（大地真央）に気に入られます

さらに千尋は機転をきかせ、心因性認識不全症候群で顔と名前を覚えられない日向のピンチを救いますが、同時に藤川に失言してしまい、日向の怒りを買ってしまいました。

落ち込む千尋を、副社長の朝比奈（井浦新）が、慰め、食事に誘います。

朝比奈が千尋を車に乗せているところに、千尋に言い過ぎたことを反省して戻ってきた日向がその様子を目撃すると、日向は声をかけることなく再び車で去り去ってしまいます。

そして、千尋が車の中に忘れていった靴を、日向はゴミ箱に捨ててしまいました。

一方、朝比奈と一緒に車に乗り込んだ千尋は、朝比奈から、「澤木千尋」という名は偽名であることを指摘され、問い詰められます。

千尋は、つい嘘をついてしまったと謝罪し、ネクスト・イノベーションを離れ、再び就活生活を開始することになりました。

翌朝、日向が出勤すると、朝比奈が、事務次官の藤川がその日の5時に日向と千尋に来てほしいと連絡があったと伝えます。

朝比奈が呼べば千尋は来るだろう、という日向。

朝比奈から呼び出しを受けた千尋がネクスト・イノベーションを訪れると、千尋を見つけた日向が、千尋を呼び止め、パーソナルファイルのプロジェクトのための契約をしようと契約条件を提示します。

しかし、周囲の社員にも自分が就活生だと知らせてほしいという千尋の申し出は、藤川に千尋の素性が知られたらプロジェクトが終わると日向は拒否してしまいます。

その後行われた藤川との会合は、とても感触の良いもので終わりました。

帰りのタクシーの中で、日向は千尋に分厚い資料を渡し、翌週ある説明会までに覚えてくるようにいうと、他に寄るところがあるからと千尋にタクシーを降りるように言います。

千尋がタクシーを降りたとき、日向の車に置いてきてしまった靴を思い出し、返してくれるようにいいますが、日向は、千尋の靴は捨てたというと、もっと良いものを買うようにと1万円を千尋に差し出します。

しかし千尋は、あの靴は自分にとって大事な靴だったというと、お金を受け取らず、悔しそうに泣きながら走り去ってしまいました。

その頃、ネクスト・イノベーションの取締役、山下（佐野史郎）は、朝比奈とバーで飲んでいました。

朝比奈の方が代表の器だという山下は、日向の解任決議を出そう、と愚痴をこぼしています。

そこに、朝比奈の妹・耀子（相武紗季）がやってきて、自身のレストランのオープニングパーティに来てくれと言いながら、日向がいないかと様子を伺います。

朝比奈が、女はみんな日向がいいのかと半ば呆れながら茶化すと、耀子は日向は料理の好みがうるさそうだから、と言い訳を口にします。

一方、千尋と別れた日向は、その足で、良く訪れる禅寺に向かい、僧侶の苗木（中原丈雄）に、自身の母親・澤木千尋と同姓同名の女性が現れたことを話していました。

母とは別人だと知りながらも、なにかと口実をつけて引き留めていると打ち明ける日向の話を、静かに聞く苗木。

翌日、千尋が東大の中庭で、友人の小野遙香（野村麻純）にネクスト・イノベーションの愚痴をこぼしていました。

その姿を、東大に講演に来ていた藤川に偶然見られてしまっていました。

その夜、耀子のレストランのオープニングパーティが開かれ、千尋も朝比奈に誘われ、ネクスト・イノベーションの面々とレストランを訪れます。

千尋や日向、朝比奈が座るテーブルに挨拶にきた耀子。

耀子の顔と名前がわからない日向が困っていると、朝比奈が皆の前で妹の耀子だと挨拶します。

次は覚えておくという日向に、耀子は9年前にも会って話していること、その時に人の名前と顔が覚えられないことも話していたことを明かします。

耀子の料理を美味しいという日向に、耀子は笑顔を返しますが、厨房に戻ると日向が覚えていなかったことに苛立ち、部下に八つ当たりをするのでした。

あくる日、千尋のもとに、小さな企業から最終面接の案内が届きます。千尋は、もし内定がもらえたらその会社に就職するつもりだ、と朝比奈に報告します。

ところが、その最終面接の日の朝、千尋のもとに朝比奈から連絡が入ります。

一度は、面接前に会社に来られないかと千尋に尋ねる朝比奈でしたが、今日が最終面接だったことを思い出すと、面接を頑張るようにいって電話を切ってしまいました。

そのころ、ネクスト・イノベーションでは、藤川が、母校（東大）に講演会に出かけた際、千尋を見かけたといい、千尋がネクスト・イノベーションの社員でないことを指摘していたのです。

朝比奈が、千尋は社員ではないが、今回のプロジェクトメンバーとして契約していると主張しますが、藤川はさらに千尋の経歴が詐称されていたことを指摘してきます。

朝比奈が言葉を詰まらせていると、そこに、リクルートスーツ姿の千尋が入ってきました。

最終面接があることを知る朝比奈は、千尋を退出させようとしますが、藤川が千尋にもその場にいるように要求。

そのやり取りを見ていた日向が、女性同士の仕事は見るに堪えなかった、と藤川のやり方をけなすように発言すると、藤川は激怒してしまいました。

結局、ネクスト・イノベーションは、今後一切、政府が関係する通信事業の会合に出入りを禁じられてしまいました。

翌日、今回のプロジェクトは中止だと肩を落とす朝比奈の脇で、日向は自分のやり方でやると、パソコンでプログラムを組みだし、プロジェクトは続行すると宣言します。

一方、責任を感じた千尋は、その日から毎日総務省に通い、嘘をついていたことを謝罪し、そして日向がやろうとしていることは本物だと訴え続けました。

ようやく千尋の訴えに耳を貸した藤川は、自分が怒っているのは、自分も日向も同じ志であることに日向が気付いていないことだと伝えます。

ちょうどそこの頃、日向は朝比奈から、千尋が毎日総務省に通い詰めていることを聞かされていました。

数日後。日向は、東大のキャンパス内にいる千尋のもとを訪れ、最終面接に行かなかったことを怒り出します。

いきなり日向に怒られた千尋がなかば呆気に取られていると、日向は今回の件は自分に責任があると言い出し、そして最終面接に行けなくなかったことを、ぶっきらぼうに謝罪したのです。

そして、以前、千尋が日向の車に置いていった靴を差し出すと、総務省が千尋をインターンシップで使うことを条件に、ネクスト・イノベーションの公聴会への出席を許可したことを伝え、ネクスト・イノベーション社員証を手渡しました。

その後、藤川の元を訪れ、礼を言う千尋。ところが、千尋の謝罪が事態を動かしたのではないと話す藤川。

実は、日向が藤川の出張先に現れ、東京都の人口に匹敵する大量のデータをわずか1時間でパーソナルファイルに移行するデモを見せ、日向の実力を見せつけていたのでした。

翌日。千尋がネクスト・イノベーションに出社すると、日向の車を見つけます。

車を止めた日向は、ビルの前にいた耀子の名前を呼び、挨拶をしています。

日向に声をかけられ、嬉しそうな耀子。

その頃、朝比奈は、千尋についてさらに調査するように何者かに電話をしていたのでした。