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里中賢介（小泉孝太郎）は、派遣の契約が終了する大前春子（篠原涼子）を「うちにはあなたが必要なんです。」と引き留める。

しかし、春子は、「98社です、私がいままで派遣で行った会社の数です。態度が悪いと言われて1時間で辞めた会社も含めて98社目でそんなことを言ってくれる上司に私は、初めて出会いました。甘々なところを除けば里中主任は素晴らしい上司です。ですが、私は3か月で終了します。私が派遣で生きていくためのルールです。」と言って辞めることを伝える。

さらに、部長の桐島敏郎（松方弘樹）にも引き留められるが、頑なに契約更新を拒む春子。そこでも理由を聞かれる。

• 3か月以上いると私のスキルが高くて格差がでます。
• 正社員が私を頼りすぎて、ますます正社員がダメになります。

③こういう質問されることが余計なお世話です。と、春子は誘いを断った。

春子の契約期間は残り3週間となっていた。

春子が3か月で去る理由は他にもあった。

東海林武（大泉洋）は、何とか春子を引き留めようと、毎日お昼に通う定食屋「ようじ屋」と手を組んで、春子の好きなサバ味噌でつって辞めないように仕向けるように里中に言ったのだが、失敗…。

マーケティング課では森美雪（加藤あい）が企画した「ハケン弁当」がいよいよ発売開始になることが発表された。

発売日は4月2日（月）。春子と美雪は3月で契約が切れるため、発売日には会社にはいないことを嘆くメンバー達。里中が人事に交渉し、美雪が3か月更新になった。

東海林は、本社勤務に戻ることが出来なくなって、「S&F」の子会社「S&F運輸名古屋営業所」所長に降格していた。

一方、「ハケン弁当」の原価に悩む里中だが、「マイ弁当箱」を100円で売ることで、「ハケン弁当」を500円で売るアイデアを思いつく。使い捨てじゃないMy弁当箱でコスト面をクリア。

春子と仲の良いマグロ解体師のツネさん（小野武彦）にかけあって、魚を安く仕入れることができた里中と美雪は、ツネさんから春子について「1年ここで働いたけど、雇い主の都合でいきなり首を切られた。両親には早くに死に別れて1人ぼっちだったんだな。」と聞く。

「私ずっとここにいられるかと思った。辞めたくない。みんなと別れるなんて嫌だ。やだよ。」泣いている春子を回想する。

「はるちゃんは情が深い人間なんだなって思った。3か月で辞めるのはそれ以上いると別れがつらくなるからじゃないかな。」

それを聞いた美雪は、契約更新を辞退することにした。マーケティング部に「実家の両親に戻ってこいと言われて。ハケン弁当の当日は手伝いに来させてください。」と伝えて別れを選択する。

東海林からマーケティング部に電話がきた。春子が出るが、美雪に代わってくれと言われ、春子は、「はい、森です、東海林主任、どうしたんですか？」と美雪の真似をして電話に出る。

「賢ちゃんにまずいメール送っちゃったんだ。読まないで削除してくれ。賢ちゃんのパスワードKOINUだ。」と言う東海林。

最後に「東海林主任、春子先輩に代わりましょうか？」と聞くが、「代わってほしいってとっくりが言っているのか？」と言う東海林に、「ぜんぜーん。じゃあ」と電話を切る春子。

メールには、

俺本当はさ、耐えがたい疎外感と屈辱と味わっているんだ。職場で正社員は俺1人、トラックの運ちゃんたちからネクタイって言われていて、「ネクタイのくせに生意気」とか「ネクタイのくせに仕切るな。」って。嫌われ者の転校生というか、派遣の気持ちが分かるなんてやばいよな。どう思う？賢ちゃん、賢ちゃんだけは俺のことを見捨てないよな。ねっ。

と書かれてあった。東海林は、トラック運転手たちに「ネクタイ」と呼ばれていて、リーダー格の土屋に嫌われており、「こいつの下では働けない」と仕事を放棄されていたのだ。

「情けない。」とつぶやきながらメールを削除する春子。

ついに春子と美雪の最終出社日を迎える。

「契約終了しました。お先に失礼します。」と、2人ともあっさり帰ってしまう。

帰宅する美雪を待っていた春子は、「業務時間が終わるまでよく頑張った。仕事中トイレ駆け込んで泣いていたあなたがよく成長しました。」と労う。泣いている美雪は、「私、群馬帰るなんて嘘なんです。やっぱり私には無理だと分かったんです。わたしはずっとあそこで働きたい、いつか自分だけが消えなければならない。スキルを磨いてもこんな思いして働くなんて派遣辞めます。」と。

春子は、「誰もあなたに派遣になれと言っていません。あなたはあなたの道を行けばいいんです。その勇気をこの3か月で得たんです。勇気を持って歩き出しなさい。働くことは生きることです。お疲れ様でした。」と伝えたのだった。

春子が住む店「カンタンテ」に里中が現れる。

「契約終了しましたが何か？」と言う春子。

「東海林さんもよく同じこと言っていました。一緒に働くことは一緒に生きることだ。東海林さんも大前さんも尊敬しています。2人は似ています。自分を愛するように仕事も愛している。一番向き合ってないのはあなたじゃないですか？あなたは東海林さんのことが好きなんですよ。」と、春子が東海林に恋愛感情を抱いていることを指摘する里中だが、「クリック、ピッ、削除しました。」と春子は相手にしない。

「もう二度とこないでください」と言う春子。

「カンタンテ」のママ・天谷眉子（白川由美）は、「契約終わるといつも春子あーなんだよね。春子は、残業したり、特別な会社だったんですよ。乾杯しましょう！」と言うのだった。

一方、春子は、部屋を片付けて出て行こうとしていた。

「ハケン弁当」の発売日は、大雪が降って「マイ弁当」が届かないことになってしまった。慌てるマーケティング課のメンバーだが、ヘリコプターの音が聞こえる。ヘリコプターからスカイダイビングで「マイ弁当箱」を春子が届けてくれたのだ。お礼を言うメンバーに、「スカイダイビングは私の趣味ですけど何か？」と春子。なんとか「ハケン弁当」の発売は無事に行われた。

発売された「ハケン弁当」は売れて話題になり、雑誌でも取り上げられた。「ハケン弁当」が話題になったことで、里中は社長賞を受賞する。

そして、社長賞の表彰式で、里中は、スピーチをした。

「ハケン弁当は、一人の派遣社員のアイデアから生まれたもので、本当はこの賞を貰うのは新人派遣社員だった森美雪さんです。そして、実現に一緒に頑張ってくれた派遣社員の近耕作（上地雄輔）さん、そして素晴らしいスキルでいくつものピンチを救ってくれた大前春子さんは…、3人とももうここにはいません。やっぱりこんな賞を僕だけ貰うのはおかしいです。」と言って、表彰状を置いた。

そして、「ハケン弁当の本当の値打ちは賞ではなく、社員と派遣社員が一つになって数々の困難を乗り越えられたことです。」と言って、スピーチを終えたのだった。

そして、美雪は、正社員雇用を目指し、S&Fの紹介予定派遣として働くことになった。近は、同一労働、同一賃金の会社、派遣と正社員の格差がない会社に勤務する。

美雪は、スペインにいる春子に近況報告の留守電を入れ、「今日S＆Fに行きました。新しいマーケティング主任は匡子（板谷由夏）さんで、里中さんは営業部に戻り、浅野（勝地涼）さんともに頑張っている。私はS&Fに紹介派遣で入り、半年後には半数が正社員の適正なしで落とされるそうです。ヘマしないように頑張ります。東海林主任は、まだ本社に戻ってきていません。」と伝えた。

そんな中、里中が東海林のいる名古屋の運送部を訪れると、東海林が落としたスケジュール表を拾ったのは、春子だった。

そして、相変わらず子会社の社員にバカにされている東海林の元に春子が現れる。「とっくり！夢か？」と嬉しがる東海林に、春子は次々と資格を見せつけた。

「契約は3か月。私を雇って後悔はさせない。」と豪語する春子は、東海林に契約を迫る。

「運転手と一般事務で2人分やります。時給3000円でどうですか？今度はあなたに社長賞を取ってもらうために、ここまで来ましたが、何か？」と春子。

「よろしくお願いします。」と頭を下げる東海林。

すると、「業務につきます。」と言って、春子は、東海林の話を聞かずに福岡行きのトラックに乗り込み、止める東海林と現れた里中を置いてトラックを走らせる。

春子は、東海林の会社で派遣として働くことになったのだった。